リトアニア共和国(北ヨーロッパーLietuva-リトアニア語))-1
2026.02.07-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20260207-EVPEFQNEQZNRNO3KCSDWPL4XZA/
台湾代表処の認可で対中関係悪化のリトアニア、当時の判断は「大きな誤り」として関係修復へ
【ロンドン=黒瀬悦成】2021年に欧州初となる「台湾」の名称を冠した代表処(代表部に相当)の設置を認めたリトアニアが、悪化した中国との関係の修復に動き始めた。
昨年9月に就任したリトアニアのルギニエネ首相は今月3日、当時の判断は「大きな誤りだった」と表明。これを受け、
中国外務省報道官は6日、関係改善に前向きの姿勢を示した。
ルギニエネ氏はバルト三国の通信社BNSとの会見で、代表処の設置に関し、名称に他の欧州諸国が使用する「台北」ではなく、あえて「台湾」を用いたのは「列車の前に飛び出して敗北したようなものだった」と振り返った。
リトアニアの行動は当時、中国の専制主義に対抗する象徴的な連携策として自由民主主義陣営から支持の声が上がっていた。
だがルギニエネ氏は、リトアニアが台湾の名を使うことにしたのは「私たちが率先して行動すれば、世界が一気に評価すると思ったからだ」とした上で「現実には世界の誰からも評価されなかった」と主張した。
中国はリトアニアによる代表処の認可を受け、同国との外交関係を格下げし、2国間貿易を制限するなどの報復措置を取った。
ルギニエネ氏は、対中国では欧州連合(EU)として統一的に取り組むべきだとし、認可は「無駄な独断専行」だったとした。
中国外務省報道官は6日の記者会見で「意思疎通の扉は常に開いている。リトアニアが関係改善の意思を行動に移し、誤りを正すことを望む」と述べた。
一方、ロイター通信によると、
台湾外交部(外務省に相当)は5日、「台湾とリトアニア政府は代表処の設立以来、相互に利益となる実質的協力を推進してきた」とし、
今後も緊密な調整と意思疎通を維持して関係を深めていくと表明した。
2025.09.25-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20250925-LF2DYDXJIZMOBIEJEYPG6PKSHU/
リトアニア新政権が発足 女性首相が就任、中国と関係改善「ほかのEU諸国と同レベルに」
バルト3国のリトアニアの議会は25日、最大与党の中道左派、社会民主党の女性議員で、社会保障・労働相を務めてきたインガ・ルギニエネ氏(44)を首相とする連立内閣を承認し、
新政権が発足した。ルギニエネ政権は政策を公表し、中国との関係改善を掲げた。
リトアニアは2021年に欧州で初めて「台湾」の名称を用いた代表処を首都ビリニュスに台湾が設置するのを認めて以来、中国との関係が悪化した。新政権は対中関係を、ほかの欧州連合(EU)加盟国と「同レベルまで正常化することを目指す」とした。
一方、経済や文化面で台湾との関係を強化する方針も示した。日本や韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの協力強化も目指すとした。
リトアニアではパルツカス前首相が7月末、親族所有企業への捜査を巡り辞任を表明したことを受け、ナウセーダ大統領が8月にルギニエネ氏を新首相に指名した。(共
同)
2023.03.19-産経新聞-https://www.sankei.com/article/20230319-DVJUUYV675OSXEIM6FGBDCUXAQ/
「ロシアは友人」は幻想 リトアニア国会議員、アルーナス・バリンスカス氏-
(聞き手 黒沢潤)
「リトアニア・ウクライナ友好議員連盟」のメンバーとして、私たち議員はこの1年間、ウクライナを訪れたり、逆にウ
クライナ議長をリトアニアに招き議事堂で演説してもらったりしている。ウクライナが孤立無援ではないことを示したいからだ。財政支援や物質的な支援など「政治的な輸血」は必要な限り続ける。
ロシアが2014年、ウクライナ南部クリミア半島を併合したことは、
リトアニア国民の意識を目覚めさせた。「ロシアは私たちの友人」というのは幻想だったのだ、と。それまで〝狂った隣人〟(ロシア)が本当に狂っているとは信じられなかったが、14年の危機で気付いた。敵が自分たちの背後の「玄関」にいるからではなく、実際に「玄関」を通過しようとしているから準備しなければ、との意識に変わった。
14年からリトアニア軍は大きな変貌を遂げた。15年には徴兵制が復活。国内総生産(GDP)に占める国防費も今、大幅に増額されている。14年までは、08年のリーマンショックの影響で低く抑えられていた。
リトアニアにはロシア系住民が5、6%おり、ロシア系住民保護との名目で、ロシアが攻め入るとの見方はいつも存在する。ただ、プーチン(露大統領)はそのような言い訳をそもそも使う必要がない。
名目は何でもいい。プーチンがウクライナ戦争に至る道で使ったレトリックは狂気そのもので、
ナチス勢力からの解放、などを持ち出した。彼はどんな理由をも創り出す。
北大西洋条約機構(NATO)の基地が露国境に近いとか、西側の新たな兵器がロシアの脅威になっている-などだ。
リトアニア西隣のロシアの飛び地カリーニングラードには、ロシアの装備や兵器が集中し
、「欧州で最も軍事化された地域」と言われてきた。ウクライナ戦争勃発で、バルト三国や周囲の地域にとって最悪の恐怖が現実のものとなった。一方、別の側面もある。バルト三国などの地域でロシアが今後、新たな戦線を開けるだろうか? それは不可能だ。NATOに挑戦しなければならず、計算が狂うことになる。
NATOが参戦すれば「ゲーム・オーバー」だ。ロシアはウクライナ戦線に忙殺され、他の戦争を遂行できないとみる。
プーチンは戦術核であれ戦略核であれ、核兵器を使わないのではないか。使えば自らをコーナーへと追い込み、犠牲者になるだけだ。核兵器の使用は日本投下からの約80年間、タブーだった。使えば猛烈に非難されるということは日本人なら分かるだろう。
核兵器使用は、ゲームのルールを完全に変える。
ロシアには中国やイラン、インドなどの友好国がいるとはいえ、一線を越えることは自殺行為となる。
(聞き手 黒沢潤)